葬儀会場でメモリアルコーナーが設けられていた場合、参列者としてどのように振る舞うべきでしょうか。遺族が心を込めて準備したその特別な空間は、故人を偲ぶための大切な場所です。敬意と配慮を持った行動を心掛けることで、遺族の想いに応えることができます。まず、最も基本的なマナーは、静かに、そして敬意をもって鑑賞することです。コーナーに近づいたら、まずは故人の遺影や展示品に向かって、心の中で静かに一礼するくらいの気持ちで臨みましょう。展示されている品々は、故人と遺族にとってかけがえのない宝物です。大声で話したり、笑い声をあげたりすることは厳に慎み、厳粛な場の雰囲気を壊さないように配慮します。次に、展示品にむやみに触れないことです。特に、故人が手掛けた作品や、長年愛用していた品は、非常にデリケートな状態である可能性があります。どうしても手に取ってみたいと思うような品があったとしても、必ず遺族に許可を得てからにするのが鉄則です。写真撮影についても同様です。プライベートな写真が多く飾られているため、無断で撮影することはマナー違反にあたります。もし記念に一枚撮りたいと感じた場合は、必ず遺族の方に「お写真を一枚撮らせていただいてもよろしいでしょうか」と、丁重にお伺いを立てましょう。メモリアルコーナーは、遺族と会話を交わす絶好の機会でもあります。もし近くに遺族の方がいらっしゃったら、ぜひ声をかけてみてください。その際の言葉選びは非常に重要です。「素敵なお写真ですね」「〇〇さんらしい、温かいコーナーですね」といった、肯定的で温かい言葉を選ぶようにしましょう。そして、「この写真の時、〇〇さんと一緒にこんなことがあって…」というように、自分と故人との具体的な思い出話を共有することは、遺族にとって何よりの慰めとなります。あなたが語る思い出話は、遺族が知らなかった故人の一面を教えてくれる貴重な贈り物なのです。ただし、長々と話し込むのは避け、他の参列者への配慮も忘れないようにしましょう。メモリアルコーナーは、故人を介して人々の心が繋がる場所です。あなたの温かい心遣いが、悲しみの中にいる遺族の心を、少しだけ明るく照らすことでしょう。
メモリアルコーナーに接する参列者の心得